流行りのダイエットでリバウンドする本当の理由:栄養のプロが教える「食の選び方」

2025.11.16

短期ダイエットの危険性:「成長しない減量」の罠

ダイエットを頑張っても、すぐに体重が元に戻ってしまう「リバウンド」は、多くの方が抱える悩みです。リバウンドは一時的な体重の増減に留まらず、細胞に「酸化ストレス」をかけ、炎症や免疫異常を引き起こし、早期老化を招くなど、美容に深刻な影響を与えます。リバウンドを繰り返すと、細胞が痛むことで体質が悪化し、美容から遠ざかってしまいます。

先端美容栄養協会(ABNA)は、美容目的のダイエットにおいて、「超肥満向けの極端なダイエット」「筋肉を減らす減量法」「2つの罠」「成長」には繋がらず、リバウンドを繰り返す原因となります。

美容目的のダイエットを目指す私たちは、「健康的に」「美しく」痩せるための栄養学的な方法を学ぶ必要があります。

体脂肪のメカニズムと「小さなダイエット」としての呼吸

ダイエットにおいて私たちが減らしたいのは、「体重」ではなく、食べ物に含まれる三大栄養素が体内に蓄えられた「体脂肪」です。体脂肪は「余分にたまりすぎたエネルギー(燃料)」だと言えます。

ABNAでは、体脂肪が燃焼されると二酸化炭素(CO2​)呼吸そのものが「小さなダイエット」なのです。

効率的なダイエットを成功させるためには、単にカロリーを減らすのではなく、細胞を変化させる食べ物の選び方が不可欠です。

リバウンドを防ぐ鍵:栄養の「土台」と「食選択力」

リバウンドを防ぎ、科学的かつ効果的なダイエットを実現するための最短ルートは、「食選択力(食べ方や食品の知識)」を身につけることです。これは、「食事をカロリーだけで捉えるのではなく、その食品が体の中でどう働くか」を意識することに繋がります。

リバウンドを防ぎ、代謝を維持し、ホルモンバランスを安定させるためには、タンパク質(筋肉や臓器の材料)と、ビタミン・ミネラル(代謝の補酵素)がバランス良く摂られている状態が不可欠です。

  • 炭水化物(糖質)の扱い: 炭水化物は主食としてエネルギー源となる重要な栄養素ですが、過剰に摂取すると体脂肪として蓄積しやすくなります。特に砂糖や果糖を多く含む食品は、血糖値を急激に上げやすく、脂肪として蓄積しやすい性質があります。世界保健機関(WHO)は、砂糖の摂取量を全エネルギーの10%未満にすべきだと勧告しており、さらに5%未満とする草案も公開しています。
  • 脂質の種類と量: 脂質は高密度のエネルギー(1gあたり9kcal)を含みます。ダイエット中は、脂質の種類(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸など)を意識し、トランス脂肪酸のように心血管系リスクを増加させることが勧告されている成分は摂取量を控えることが推奨されます。
  • 代謝の補酵素: 三大栄養素を効率よくエネルギーに変えるためには、ビタミンB群やミネラル(鉄、亜鉛など)が代謝の補酵素として働くため、これらの栄養素が不足すると代謝が滞り、痩せにくい体質につながります。

腸内細菌叢と高脂肪食の影響

近年、腸内細菌叢が代謝に深く関わっていることが科学的に注目されています。食事は、ヒトの腸内細菌叢の構成と機能の形成における主要な駆動因子であり、細菌代謝は基質の利用可能性に応じて素早く切り替わります。

動物モデルの研究では、高脂肪食が腸の透過性を高め、炎症を促進することが示されています。また、タンパク質が過剰な食事も、長期的に続くと腸内細菌叢を変化させ、全身性の炎症や腎臓障害のリスクを高める可能性が示唆されています。

リバウンドを防ぐためには、極端な栄養素の制限ではなく、主食、主菜、副菜を意識したバランスの良い食事を心がけ、健康的な体を長期的・持続的に維持するための知識(アフターダイエット栄養設計)を提供することが重要です。

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