老化のサイン:「酸化ストレス」という細胞のSOS
年齢を重ねる中で感じる疲れやすさや肌の衰えは、単なる加齢現象だけでなく、細胞レベルで生じているダメージ、すなわち「酸化ストレス」が原因かもしれません。
酸化ストレスとは、大量のストレスや体脂肪の多い状態が続いた際に、細胞に起こる現象であり、乱れた食生活、過剰な喫煙、睡眠不足など、日常生活の様々な要因から発生します。酸化ストレスが強くなると、細胞はうまく働けなくなり、炎症や早期老化のサイクルを加速させます。
ABNAが提供する「老化予防栄養学」は、このマイナスのサイクル(酸化ストレス→炎症→早期老化)を、栄養の力によってプラスのサイクル(抗酸化→抗炎症→抗老化)で調整していくアプローチを提案しています。これは、老化や慢性疲労、更年期の不調といった悩みを抱える40〜60代の女性を主な対象としています。

抗酸化作用を持つ栄養素と予防医学の視点
栄養学が目指すのは、炎症を鎮める薬の「対症療法(抗炎症)」とは異なり、体質改善を目指す「抗酸化」のアプローチです。
抗酸化作用のある食品を意識的に選ぶことで、細胞本来の力が回復し、老化の予防、炎症の収まりなどが期待できます。
- 抗酸化の主役:ビタミン、ミネラルビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、コラーゲンの生成を助けます。ビタミンEは細胞膜の脂質の酸化を防ぐ、脂溶性の代表的な抗酸化ビタミンです。また、亜鉛やセレンなどのミネラルは、体内で抗酸化酵素が働くために不可欠な成分です。
- フィトケミカル: 野菜の色や香り、苦味などに含まれ、抗酸化作用や美容・健康をサポートする機能性を持つ植物由来の成分であり、老化予防において重要視されています。多様な色の野菜を意識的に取り入れることは、さまざまな抗酸化成分をバランス良く摂取するためのヒントになります。
老化予防は、病気になってから治療するのではなく、病気になる前に生活習慣を改善する予防医学の視点が重要です。ABNAの目指す「抗酸化食育栄養学」も、この予防医学の視点に基づいています。
栄養バランスと「糖化」のリスク
老化の要因として、酸化ストレスのほかに「糖化」が挙げられます。
糖質の質と量が偏ると、血糖値の急激な上昇や、体脂肪の増加を招きます。特に砂糖や果糖を多く含む食品は、過剰摂取を避けるべきだとされています。
また、日々の食生活で主食(糖質)、主菜(タンパク質・脂質)、副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)の3つの要素をバランスよく揃えることが、老化予防の土台となります。これが崩れると、栄養バランスが乱れ、「心と体の余裕のサイン」として体調不良やリバウンドにつながる場合があります。
さらに、アルコール(エタノール)は1gあたり7kcalのエネルギーがあり、体内で優先的に燃焼されるため、脂肪や糖質の燃焼が後回しになりやすく、体脂肪が増えやすくなる原因になり得ます。アルコール摂取時には、ビタミンB群の吸収が妨げられ、肌荒れなどの問題を引き起こすことが報告されています。

腸内環境の健康と老化予防
腸内細菌叢のバランスは、免疫応答や炎症、代謝に深く関与しており、老化予防においても間接的に重要な役割を果たします。
アミノ酸の一つであるトリプトファンは、宿主と腸内細菌によって代謝され、腸粘膜の恒常性に中心的な役割を果たすAhRリガンドなどのインドール誘導体に変化します。また、ナイアシン(ビタミンB3)もトリプトファン誘導体であり、腸の炎症抑制を促す役割を持つことが示唆されています。
また、植物由来の多糖類(例:サツマイモ、ごぼう、きのこ類など)が腸内細菌叢の組成を変化させ、炎症を軽減する効果を持つことも、動物モデルの研究で示されています。
このように、老化予防は単一の栄養素ではなく、食生活全体を通じて細胞環境を整えることが鍵となります。ABNA® Basic Advisorの学習を通じて、お客様の悩み(老け顔・慢性疲労)に対し、科学的な知識に基づいた「酸化させない生活」を提案できるようになります。
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